2023.01.20 部屋掃除
洗面所にある排水溝の掃除方法とつまった場合の対処法
洗面所の排水溝は常に清潔に保ち、定期的にメンテナンスすることが重要です。メンテナンスをしないと、突然排水口がつまり水が溢れ出して、面倒な事態になることがあります。
このような事態を避け、洗面所の排水溝を安全でピカピカの状態に保つには、守るべき手順があります。今回は、洗面所の排水溝のメンテナンス方法や、汚れの原因について詳しく解説します。
洗面所の排水溝が汚れる原因
ここからは、洗面所の排水溝が汚れる原因について詳しく解説します。
固形物
髪の毛や歯磨き粉以外にも、ヘアゴムやカミソリの歯、ピアスや指輪など、誤って流してしまった固形物が、つまりの原因になることがあります。
固形物によるつまりはパイプクリーナーで溶かせません。固形物の周りにごみが溜まり、つまりが深刻化する前に、手作業でのケアが必要です。
さらに、ピアスなどの宝石類は、パイプから引き抜くのが難しいため、特別な注意が必要です。水道の悪夢を避けるためには、排水管に流すものに気を配り、パイプと排水管を定期的に点検することが大切です。
髪の毛
毎日使う洗面所では、髪をセットするときや乾かすときに抜けた髪の毛が、徐々にヘアキャッチャーに溜まっていきます。髪の毛が長くなるとヘアキャッチャーに絡みやすくなり、数日間掃除をサボると、ますます水の流れが悪くなってしまいます。
また、歯磨き粉のカスや浴室のゴミなどがヘアキャッチャーに入り込み、目づまりを悪化させることもあります。さらに、浴室内の湿った環境は、有害な細菌を蓄積する原因にもなるため、こまめな掃除が重要です。
日々、気が付いたときにさっと掃除できるように、シンクの横にゴミ箱を置いてすぐ使えるようにしておくとよいでしょう。
ぬめり
実は、髪の毛だけでは排水口のつまりは起こりにくいのですが、様々なものが髪の毛に付着してヌルヌルになってしまい、深刻な排水口のつまりの原因になってしまうのです。髪の毛に絡まるものには、歯磨き粉、石鹸カス、人間の皮脂、歯垢、フケなどがあります。
さらに、時間が経って掃除が行き届かなくなると、糸くずやゴミ、小さな食べかすなどが髪の毛に付着し、ベタベタして不衛生で落としにくい塊になります。この混合物は、排水口の側面に付着して水の流れを妨げ、最終的には深刻な排水口のつまりにつながることがあります。
そのため、ヘアキャッチャーを適切に清掃しないと、ますます粘着性が増して清掃が困難になり、最終的には完全に清掃するために、専門家の助けが必要になることさえあるのです。
水垢
洗面所の排水溝を詰まらせる物質の3つ目は水垢です。水道水は100%水の分子だけで構成されているわけではなく、カルシウムやマグネシウムなどの金属イオンも含まれています。
この金属イオンが固まって炭酸塩になったものが、水垢です。ちなみに、カルシウムやマグネシウムのイオンを多く含む水を硬水といいます。
その反対語は軟水です。硬水と軟水の違いは、この金属イオンの量です。そのため、洗面所で流す水に軟水器などを設置してイオンを除去し、軟水しか流れないような設備にすれば、水垢によるつまりを防ぐことができるのです。
また、軟水を導入すると、シャワーやお風呂で使うお湯が少なくて済むので、節水や省エネにもつながります。
カビ・細菌
排水口の嫌なヌメリですが、その正体はほとんどがカビや細菌です。浴室だけでなく、キッチンのシンクにゴミ受けがある方は、料理で出たゴミや食器を洗うときに出る油などを排水管に流してしまうことが多いようです。
流れた油は排水管の壁に付着し、そこに生ゴミや洗剤の残りカスなどが付着すると、カビや雑菌の温床になる。これが、排水管に発生するヌメリの正体です。この油脂や食べ物が長い間蓄積されると、カビや細菌の繁殖を助長するだけでなく、つまりの原因になったり、水の排水がうまくいかなくなったりすることもあるのです。
洗面所の排水溝の汚れを放置するリスク
ここからは、洗面所の排水溝の汚れを放置するリスクについて詳しく解説していきます。
水漏れが起きる
排水管を放置しておくと、汚れが原因で水の流れが悪くなり、あふれ出てしまうことがあります。また、知らない間に排水管の隙間から水が漏れていることもあります。あふれた水や漏れた水は、床や洗面台下の収納にたまり、水浸しになる可能性もあります。
さらに、水が外に出てしまうと、その湿気によって菌やカビ、虫が発生し、環境が汚染され、深刻な健康被害につながる可能性もあります。一軒家なら自宅だけの被害で済みますが、集合住宅の場合、階下の住民に被害が及び、近隣トラブルに発展することもあります。
逆流して水が溢れてくる
排水溝に水垢や汚れがたまると、それが固まってヘドロとなり、排水溝を詰まらせることがあります。排水管が詰まると、行き場を失った排水が逆流し、排水トラブルを引き起こし、配管を破損する可能性があります。
つまりがバリアとなり、排水が通過できず、植物細胞や土などのゴミがパイプ内に蓄積されることがあります。これは、水の正常な流れを妨げ、不快な臭いや、バクテリアやカビの蓄積を招き、不快な健康問題を引き起こす可能性があります。
最終的には、排水管のつまりや逆流を放置すると、住宅に大きなダメージを与え、高価な修理や交換が必要になることがあります。
虫が湧き上がってくる
毎日、洗面所の排水溝を使うことで、汚れやゴミが排水管の内部にたまり続けています。排水管の内側が十分に洗浄されていないと、細菌や虫が繁殖しやすくなり、不快な臭いが発生します。
排水管を清潔に保ち、下水に含まれる有害な成分から身を守るためには、目に見える洗面所の表面だけでなく、管の内側も日常的に清掃することが必要です。
悪臭がする
排水溝には、皮脂や石けんカス、水垢など、細菌が好むものが多く含まれています。これらがたまると、細菌が繁殖し、不快な臭いを発する原因になります。とくに、髪の毛やゴミを受け止めるヘアキャッチャー周辺は、細菌が繁殖しやすい場所です。
ヘアキャッチャーにたまったゴミは、そのままにせず、こまめに処理するように心がけましょう。ヘアキャッチャーを長い間放置していると、数日で細菌が急激に増え、環境に劇的な影響を与えることがあります。
排水口からの臭いが強いと感じたら、化学的な排水口洗浄剤や洗剤を使用するのが一番です。排水管洗浄剤には、臭いの元となる有機物を分解する酸が含まれており、洗剤には油脂を分解する界面活性剤が含まれています。
洗面所の排水溝の掃除方法
ここでは、洗面所の排水溝の掃除方法について紹介していきます。
重曹とクエン酸を使う方法
重曹とクエン酸は、洗面台の排水管にたまった皮脂や石けんカスの洗浄に効果的です。泡が汚れを浮かせて除去する効果が期待できます。発生する炭酸ガスは人体に害はありませんが、部屋の換気をしながら行う必要があります。重曹やクエン酸は、人体に安全なものです。
刺激の強い成分を含まないので、洗剤で肌荒れしやすい方にもおすすめの掃除方法です。また、環境にも優しく、掃除用具の使用量や大気中に放出される有害物質の数を減らすことができます。
さらに重曹とクエン酸は、安価でコスト面でも優れており、多機能であるため、予算が限られている方にも最適です。キッチンの掃除にも使えるので、洗剤の数を増やしたくない方にもおすすめです。
また、汚れの分子を分解し、汚れを落としやすくする植物性クリーナーなど、環境に配慮した洗浄剤を選ぶこともできます。
掃除手順は以下のとおりです。
1.排水管に重曹を振りかける
2.クエン酸(酢)・水をかける
3.約10分放置する
4.40~50度のお湯を排水管に流す
排水口の上に重曹とクエン酸を加えると、重曹に水をかけた結果、泡が立ちます。10分ほど放置すると、汚れが浮き上がってきます。
指定時間が経過したら、重曹と酢(クエン酸)を洗い流すために、ぬるま湯またはお湯を流します。お湯の温度が高すぎると、配管や洗面台が傷む可能性がありますので、注意しましょう。
パイプ洗浄剤を使う方法
パイプユニッシュをはじめとする液体パイプクリーナーを活用し、徹底洗浄のステップを紹介していきます。手順は以下の通りです。
1.パイプ洗浄剤を排水口に注ぐ
2.15~30分放置する
3.水を流す
可能であれば、排水口にパイプクリーナーを流し込む前に、まず排水栓を取り外してください。排水口に直接洗浄剤を流し込むよりも、シンクの排水栓を外した方が十分な洗浄効果が得られます。
ただし、排水栓の取り外しが困難な場合は、無理をしないことが大切です。排水口清掃と排水口プラグの取り外しについては、後述します。
たとえば、手でやるのが難しい場合は、ペンチで栓を緩めて取り外すとよいでしょう。また、ペンチによる工具跡でシンクを傷つけないように注意する必要があります。
ポイントは、パイプクリーナーを排水口に沿って流すことです。そうすることで、排水管の汚れに洗浄剤が付着しやすくなります。また、排水口に注ぐ際には漏斗を使用すると、ごちゃごちゃにならずに済みます。
排水管に洗浄剤を注いだら、パイプの内側に洗浄剤が付着するように、液体を軽く振り混ぜます。
パイプ洗浄剤の規定量や放置時間は、製品によって異なります。製品に記載されている説明書を読み、正しく使用してください。
さらに、パイプクリーナーに含まれる危険性のある化学物質を扱う際には、必ず保護手袋や保護メガネを着用し、自分の身を守ってください。最後に、パイプ洗浄剤を水で洗い流し、洗浄終了です
排水トラップを取り外す方法
排水トラップとは、排水管から室内に臭気が侵入するのを防ぐために、常に水を溜めておく装置です。
洗面台だけでなく、キッチンや浴室などの水回りでも使用されている排水トラップは、洗面台の下にある排水管の一部で、U字型の部分である。水がきちんと流れるように、そしてつまりを防ぐために、定期的にトラップを掃除することが不可欠です。
排水トラップの取り外しは、前述のパイプクリーナーや重曹、クエン酸を使った掃除方法よりも複雑なので、難しいと感じる方は別の方法をおすすめします。
たとえば、パイプを塞いでいる油脂や固形物を分解するために、専用の排水管洗浄液を使用する方法があります。この排水管洗浄剤は一晩浸け置きすることで効果を発揮するので、寝る直前に掃除を始めるとよいでしょう。
掃除方法は以下の手順です。
1.水抜きをする
2.排水トラップを外す
3.異物・ゴミを除去する
4.排水トラップを洗浄する
5.排水トラップを取り付けて水を流す
まずは水を抜きます。水を受けることができる容器を下に置き、排水コックを開けてください。なお、容器はぐちゃぐちゃにならないよう、しっかりと固定してください。
次に、上部のU字型ナット2個を外し、排水トラップを取り出します。排水トラップには水が溜まっていますので、こぼさないように注意してください。
排水コックの近くにスポンジを用意しておくと、汚れるのを防げます。この時、水が垂れることも考慮し、手の届くところに雑巾を用意しておくことをおすすめします。
汚れの程度が大きい場合は、専門家に依頼することをおすすめします。取り外した排水トラップは、ブラシなどを使って洗います。完全にきれいになったら、排水トラップを元の位置に取り付けます。最後に、シンクを流し、すべてが完了すれば、掃除は完了です。
洗面所がつまった場合の対処法
ここでは洗面所が詰まった場合の対処法について解説していきます。
排水口でつまっている場合
排水口(ヘアキャッチャー)が詰まっただけであれば、掃除で解決します。ゴム手袋、歯ブラシ、ティッシュペーパー、塩素系漂白剤を用意します。掃除用具が揃ったら、以下の方法でつまりを直しましょう。
1.排水口のフタを外す
2.ヘアキャッチャーを外す
3.ヘアキャッチャーにある汚れを歯ブラシで擦って拭き取る
4.ヘアキャッチャーと排水口に塩素系漂白剤を吹き付ける
5.一定の時間をおいて洗い流す
塩素系漂白剤には独特の臭いがあり、人によっては気分が悪くなることがあります。漂白剤を使用する際は、必ず換気を行うことが重要です。漂白剤の濃度を下げ、臭いを抑えることで、気分が悪くなるのを緩和することができるでしょう。
塩素系漂白剤は、酸性物質と混ざると有毒ガスが発生し、非常に危険です。そのため、漂白剤と洗剤や酢などのほかの洗浄剤との組み合わせは、反応速度を速め、危険な状況を作り出す可能性があるため、絶対に避けることが重要です。
このため、漂白剤は常に別々に保管し、他の洗浄剤とは絶対に混ぜないことをお勧めします。また、塩素系漂白剤を洗浄に使用する場合は、皮膚や呼吸器への障害を防ぐため、可能であれば手袋、保護メガネなどの保護具を必ず着用してください。
排水トラップでつまっている場合
洗面台の排水口で特につまりやすいのは、排水トラップです。洗面台下の収納スペースに設置されています。その形がアルファベットのSに似ていることから「S字トラップ」とも呼ばれています。
この凹んだ部分に常に水が溜まり、排水管の奥から臭いや細菌、害虫が上がってくるのを防いでいます。
しかし、その構造上、つまりの原因が溜まりやすいため、定期的に清掃する必要があります。そのため、定期的に排水トラップの点検を行い、ゴミが溜まっていないかどうかを確認する必要があるでしょう。
つまりを解消する最善の方法は、S字トラップに直接汚れを取り除くことです。S字トラップに画像のような便利な清掃口があれば、清掃作業はかなり楽になります。
掃除の方法は以下の通りです。また、掃除にはゴム手袋や割り箸、針金のハンガー、バケツを用意しましょう。
1.清掃口の下にバケツを用意する
2.清掃口を開けて、トラップの中の汚れを割り箸などでかき出していく
3.掻き出したら、蛇口を開けて水を流す
4.清掃口のフタを閉める
また、排水口の中には、清掃口がついていないタイプも存在しています。このような種類はトラップを分解して、掃除を行う必要が出てくるでしょう。しかし、排水システムの構造を理解せずに分解すると、再組み立てが困難になることがあります。
また、組み立てる際にナットがしっかりと固定されていないと、接続部分から水が漏れてくることがあるので注意しましょう。
排水トラップよりも奥でつまっている場合
基本的なつまりの解消方法がうまくいかない場合は、トラップよりも排水管の奥に原因がある可能性があります。そのため、排水管を下水道管の継ぎ目まで分解する必要がある場合があります。
ラバーカップなどで対処しても、配管の奥のほうに原因がある場合は大変な作業になります。自力で排水管を解体してしまうと、せっかく詰まった排水管を元に戻したのに、今度は水がこぼれて水浸しになるなど、別の問題が発生する可能性があります。
このようになってしまうと、自分で治すことは困難になってしまうので、プロの業者への依頼をおすすめします。
洗面所の排水溝の汚れやつまりを防ぐには
ここからは、洗面所の排水溝の汚れやつまりを防ぐにはどうしたらいいのか解説します。
固形物を流さない
洗面台の排水口が詰まる原因としては、前述した髪の毛や固形物、ホコリなどが挙げられます。
洗面所を脱衣所として使っているご家庭もあるかと思いますが、その方が便利な反面、つまりの原因も多くなります。脱いだり着たりするときにホコリが舞いやすいので、家中に舞うホコリの量を考えておくことが大切です。
また、そのホコリがどこに行くのか、排水溝に流れる可能性はないのか考える必要があります。固形物やほこりは大きなつまりの原因となり、時間とともに有害な問題となる可能性があります。このような物質が排水溝に流れ込まないように注意する必要があるでしょう。
お湯を一気に流す
パイプクリーナーを定期的に使用するとつまりにくくなりますが、お湯で代用することも可能です。排水口をふさぎ、洗面器に50度以下のお湯を目一杯入れて、一気に流し込むだけです。これで、排水管の中に溜まった汚れを押し流すことができます。
熱湯はパイプを傷めるので使わないでください。さらに協力にさせるには、お湯に洗剤を数滴、または重曹を1カップほど入れるとよいでしょう。
この組み合わせ作業で、パイプの内側に溜まっている沈殿物をドロドロにします。お湯が飛び散ったり、火傷をしないように、ゆっくり注いでください。
排水口も掃除する
悪臭やぬめりを防ぐには、排水口やオーバーフローもきれいにすることが大切です。排水口は、いわば排水の入り口。汚れや細菌などの微生物、髪の毛などで詰まってしまうことがあります。
これを防ぐためには、頑固な汚れや細菌を効率よく除去できる専用の洗浄剤で、定期的に排水口の掃除をする必要があります。シンクの側面にあるオーバーフロー穴も、見落としがちな排水口のつまりポイントです。
小さな穴が汚れや油汚れなどの蓄積物でふさがれ、放置しておくとつまりの原因になります。そうならないためにも、オーバーフロー穴の掃除もおすすめです。
定期的に掃除する
洗面台はこまめな掃除が欠かせませんが、毎日しっかり掃除するのは時間的な制約もあり難しいもの。そこで、歯磨きの後にヘアキャッチャーを掃除したり、パイプや排水口の掃除をする日を決めておくなど、日頃から簡単なお手入れで洗面台を維持することをおすすめします。
そうすることで、臭いやぬめり、洗面台の排水口のつまりを防ぐことができ、本格的な掃除をする回数も減らすことができます。
まとめ
今回は洗面所の排水溝の掃除方法や汚れの原因などについて解説してきました。洗面所だけでなく、水回りの排水溝は清潔に保つよう意識してください。排水溝のつまりは突然やってくるので、日頃から排水溝を清潔に保つ習慣をつけると安心です。排水溝を清潔に保ち、衛生的な環境を保つことは、つまりを防ぐだけでなく、より快適な空間づくりにもつながります。