コンシェルジュコラム

2023.01.05 エアコン掃除

エアコンの嫌な臭いの原因は?改善方法を解説!

部屋の中になんだか嫌な臭いがすると感じたら、その臭いの原因はエアコンかも知れません。

カビやタバコの臭い、なんとも表現しがたい臭いなど、エアコンからはさまざまな臭いが発せられることがあります。

なぜエアコンから嫌な臭いがするのか、その原因と改善方法を詳しく解説します。

エアコンから嫌な臭いがする原因とは?

エアコンからの嫌な臭いの原因は、エアコン本体の内部の汚れにあります。まず、エアコン本体の仕組みを簡単に説明すると、部屋の空気を吸い込んで室外機に送って熱交換を行ない、ここで空気が液体に変わります。

その後、室外機から熱交換後の液体を受取って、エアコン本体の熱交換器で空気に変換して冷風や温風で部屋を冷たくしたり温めたりしているのです。

エアコンの仕組みが臭いの原因にもなっている

このエアコンの仕組みを見ると、部屋の空気を吸い込んだ時点でホコリや臭いも一緒に吸い込んでいることになります。

本体にはフィルターがあり、ホコリがエアコン内部に入らないようブロックしていますが、このホコリに臭いが付着します。

エアコンからは、吹き出し口から風を出すのですが、この吹き出し口に臭いが付着していると、エアコンの風によって臭いが部屋に充満してしまうのです。

そもそもの臭いの原因はカビ

エアコンから発せられる嫌な臭いは、ほとんどの場合カビが原因です。
エアコンの仕組み上、風を送りだすのは吹き出し口からになります。

この部分は普段見えない場所になってしまいますが、よく確認すると結露を起こして水滴が溜まっているケースが多く見られます。その結果、カビの発生がよく起きる場所でもあるのです。

掃除しようと脚立に上り、エアコンの吹き出し口を見ると「カビで真っ黒」な状態になっていて、驚くことも少なくありません。

このカビをエアコンから、部屋に空気と一緒に送りだしているので、嫌な臭いが充満してしまうのです。

タバコのヤニやペットの臭いなどの生活臭にも注意!

エアコンからの嫌な臭いは、ほとんどが吹き出し口のカビによるものですが、部屋でタバコを吸っているとヤニがエアコン内に付着して、タバコ臭も混じってしまいます。

ペットを飼っている部屋では、ペット臭も混じることもあるでしょう。

また、キッチンの近くにエアコンがある場合、焼き魚の臭いや料理した時に出る煙など、換気扇から漏れた臭いも吸い込んでしまうので、これらの臭いがエアコンの風に含まれることになります。

このように、エアコンの部屋の環境による生活臭が、エアコンの風に含まれてしまい嫌な臭いとなってしまうのです。

臭いを放置するとさまざまなデメリットが起きる

エアコンからの嫌な臭いを放置すると、身体にも悪影響を及ぼしてしまいます。前述したように、嫌な臭いの正体は、エアコンの風に含まれる「カビ」ですから、身体によくないことはわかります。

体調不良

エアコンの臭いを放置しておくと、カビ菌を少量ずつですが体内に吸い込んでいることになるので、体調不良を引き起こすリスクが高くなります。

身体のだるさやのどの痛み、微熱など風邪によく似た症状が出てきますが、これは一種のアレルギー症状を患っている状態といえます。

また、大げさなようですが、がん・肝臓障害・腎臓障害などに陥るケースもゼロではありません。

とにかく、雑菌を空気と一緒に取り込んでいるので、身体のなかで何が起きるかわからないリスクが高くなるのは確かです。

タバコ臭は受動喫煙につながるリスクもある

部屋の中でタバコを吸っている場合、エアコンにヤニがついてエアコンの風からタバコ臭が漂ってきます。

これはタバコを吸わない人にとって受動喫煙に当たるので、肺がんのリスクを高める結果となります。とくにエアコンの風は部屋中に行き渡るので、部屋のどこにいても受動喫煙している状況になってしまうのです。

電気代がかさむ

多くの臭いはエアコンの吹き出し口からの風によるものですが、部屋の空気を吸い込むフィルター側からも漂ってきます。

フィルターがホコリで目詰まりを起こしている場合、そのホコリに部屋の生活臭がしみついて、それが臭いとなって発せられます。

それと同時に空気を吸い込む効率が悪くなり、エアコンが一生懸命働かないと部屋の空気を充分吸い込めなくなるので、電力消費が多くなりその結果、電気代がかさんでしまうのです。

エアコンの臭いを改善する方法

「取り急ぎエアコンの臭いを何とかしたい!」と思われる方に、エアコンの臭いを改善させる方法を解説します。

状況が悪化すると最終的にはプロにエアコンを掃除してもらうことが必要ですが、それまでのつなぎの対策として試してみてください。

フィルター掃除

まずは、フィルターを掃除します。ここは、誰でも掃除できるようになっているので、触っても問題ありません。

逆に、このフィルターはこまめに掃除していないとすぐにホコリが溜まり、生活臭が付着してフィルターからも臭いが発せられます。

1:エアコンの全面カバーを開ける
2:フィルターを取り外す(何枚かにわかれています)
3:掃除機で表面のホコリを吸い取る
4:風呂場などでフィルターを、歯ブラシなどを使ってキレイに洗う
5:水気を拭き取り陰干しして完全に乾かす
6:完全に乾いたらエアコン本体に戻す

掃除方法は以上のとおりですが、注意点はフィルターの水気が完全に乾いてから、エアコン本体に戻すことです。生乾きで戻すと、逆にカビの発生を促してしまいます。

暖房で1時間運転させる

エアコンを利用する前には温度設定を30度にして、1時間暖房運転を行ないます。エアコンの温度設定で30度は、ほぼ最高温度になるはずです。

高温で1時間運転させることで、エアコン内部を乾燥状態にしてカビを死滅できます。この時には、部屋の窓を開けっ放しにしておくのがポイントです。

エアコンの風に死滅したカビ菌が含まれているので、部屋の窓から追い出すことで、嫌な臭いを消せます。

冷房で1時間運転させる

次に、冷房を使った対策です。エアコンの設定温度を16度で1時間運転させます。そうすると、エアコン内部で結露が生じて、この結露の水滴がエアコン内部のカビや雑菌を洗い流してくれます。

カビ菌や雑菌が混じった結露の水は、ドレンホースから外に排出されるので部屋内部には影響がありません。

この場合も窓を全開にしておくと、エアコンの風によって嫌な臭いが外に追い出されます。ただし、先の暖房もこの冷房もあくまでも一時しのぎなので、1週間ほどでまた臭いが発生してしまうでしょう。

エアコン掃除のプロに任せる

エアコンの嫌な臭いを完全に取り去るには、エアコン掃除のプロへの依頼が重要です。市販にて「エアコン洗浄スプレー」なども販売されていますが、これもほかの対策と同様に一時しのぎであり、完全な臭い対策にはなりません。

また、エアコンはフィルターまでは自分で掃除できますが、それ以外は、風の吹き出し口をキレイに拭き取るしか掃除できる場所はありません。

もちろん、エアコンの外側の掃除はできますが、内部の掃除は2個所だけです。

エアコンは電気製品であると同時に精密機械でもありますから、水をかけてはいけないところに、洗浄スプレーで水分を与えてしまうことで、故障の原因を作ってしまうケースもあります。

ですから、エアコン内部の掃除はプロに任せることで、確実にキレイになって臭いを消し去れるのです。

エアコンが臭う時のNG行動・注意点

ここではエアコンの臭いを自分で消そうとする際の、NGな行為について解説します。よかれと思って苦労して掃除したことが、返ってエアコンを壊す原因になるととても辛いモノがあります。

そうならないためにも、エアコン掃除のNGな行動をしっかり把握しておくことが大切です。

消臭スプレーを使用する

ファブリーズなどの消臭スプレーは、エアコン内部に使用してはダメです。この手の消臭スプレーは、シーツやカーテンなどの布製品専用となっています。

注意書きにも「家具や床など布製品以外に付着した際は拭き取ってください」と記載されていますから、エアコン内部に吹きかけるのはNGです。

消臭スプレーをエアコン内部に吹きかけても、臭いはなくなりません。それどころか、液体がファンに付着して余計な臭いの原因を作ってしまいます。

消臭スプレーを使ったことがある方はおわかりのはずですが、スプレーした後は布が濡れたままです。

それだけエアコン内部に液体を吹きかけている証拠なので、消臭スプレーはエアコンに使ってはいけません。

エアコン掃除用スプレー

先にも少し触れていますが、エアコン掃除用スプレーなど市販のお掃除アイテムも控えた方が無難です。エアコン用の洗浄スプレーは正しい使用法を守らないと、火災や汚れの原因になるのでリスクが高いです。

プロのエアコン掃除を見るとわかりますが、エアコンの内部を掃除するには大量の水を必要とします。とてもスプレーボトル1本では足りないのです。

その結果、汚れを中途半端に落とした状態で終わるので、臭いをキレイに取り除けません。さらに、中途半端に臭いの固まりを溶かしたことで、臭いが酷くなるケースもあります。

エアコン掃除用のスプレーを使うのが100%悪いとはいえません。正しい使い方が必要であり完全に掃除しきれないので、どちらかといえばNGな行動です。

フィルターを洗い終わったら乾燥させる

これも先に触れていることですが、エアコン掃除でのあるあるなので、NGな行動&注意点としてお伝えしておきます。

エアコンのフィルターは自分で掃除しなければいけないので、キレイに掃除するために水洗いします。この時に、乾いていないフィルターをエアコンにセットするのはNGな行動です。

完全に乾いていないフィルターをセットして、すぐにエアコンを使うと、カビの発生や水分によってエアコンが故障するケースもあります。

洗ったフィルターは陰干しにて完全に乾いてから、エアコンにセットするのが正しい掃除法です。

水洗い時に固いブラシを使わない

フィルターを水洗いする時の注意点として、固いブラシや金属ブラシを使ってのこすり洗いはNGです。歯ブラシなどの軟らかいブラシを使って、こすり洗いするのが正しい洗い方になります。

長い間フィルターを掃除していないと、ホコリが固まりとなってフィルターに付着してしまうので、なかなか取れないかもしれません。

その時に、より強く洗いたいと思うので固いブラシなどを使いがちですが、フィルターが破れてしまう可能性があるので、軟らかい歯ブラシなどがおすすめです。

歯ブラシで取れないほど頑固な汚れになっている場合は、フィルターを新品に交換するほうが手っ取り早く確実な方法となります。

乾かすときにドライヤーを使わない

フィルターを洗い終わったら、早く乾かしたいのは誰もが思うことですが、乾かす手段にドライヤーを使ってはダメです。

ドライヤーの熱でフィルターのフレームが歪み、フィルターが破れやすくなることがあります。

また、直射日光に当てて乾かすものNGで、フィルターは水洗いした後に、乾いた軟らかい布で水気を拭き取って陰干しするのが正しい掃除法です。

エアコンの臭いを予防するには?

ここでは、エアコンの臭いを予防する方法について解説します。前述にて30度の暖房運転や、16度の冷房運転などを解説していますが、これらは臭いを一時的に抑える方法です。

ここで解説する方法は新しいエアコンを設置してから、もしくはエアコン掃除のプロに依頼して完全にキレイにした後から行なう臭いの予防策です。

自動掃除機能付きエアコンを使用する

新しくエアコンを設置するなら、自動掃除機能付きエアコンがおすすめです。自動掃除機能付きエアコンなら、フィルターに付着したホコリを自動的に掃除してくれる機能を搭載しているので、掃除しないことによる臭いの発生を防げます。

自動掃除機能は各メーカーで異なりますが、ほとんどがフィルターの掃除は自動で行われます。

加えて、フィルターだけでなくエアコン内部の掃除もさまざまな工夫で行なわれるので、カビ防止に高い効果があります。

エアコンを新しくするなら、自動掃除機能付きエアコンにすれば、お掃除も楽ですしカビ臭などエアコンからの臭いを気にしなくてすみます。

定期的な送風運転

エアコンには冷房、暖房に加えて送風機能も搭載されています。送風機能では単に風を吹き出し口から出すだけなのですが、この送風機能にエアコンの臭いを予防する効果があるのです。

エアコンを使わない時期も、エアコンにホコリは溜まっていきます。なので、月に1回ほど定期的に送風運転を行なえば、エアコンに溜まったホコリを追い出せます。

運転時間は1時間が目安で、送風運転中は窓を開けておくと、部屋からホコリを追い出せます。

また、冷房やドライなど除湿運転すると、エアコン内部には結露が発生して水滴が付着します。そのままエアコンを切ると、なかに水滴が残ってしまいカビが発生する原因を作ってしまうのです。

そこで、冷房やドライなどの除湿運転を行なったら、エアコンの電源をオフにする前に1時間ほど送風運転を行なって発生した水滴を乾かしておきます。

部屋のこまめな換気

エアコンでは目に見えないホコリを、フィルターでキャッチしています。キレイに見えても部屋の中は意外にホコリが漂っているので、こまめな換気が必要です。

部屋のこまめな換気は、エアコンだけに限らず、身体への悪影響を排除するにも役立ちます。普段から窓もカーテンも閉めたままという方は、すぐに窓やカーテンを開けての換気がおすすめです。

窓やカーテンを閉め切っていると、サッシ部分に黒カビが繁殖してしまい、胞子を部屋中にまき散らしてしまいます。その空気を吸い込んでいると身体にもよくありませんし、エアコンも胞子を吸い込むのでカビが発生してしまうのです。

部屋のこまめな換気は、エアコンにも身体にもよいことなので、ぜひ実践してください。

隔週に一度はフィルター掃除する

エアコンを使う前にはフィルターの掃除をしていても、エアコンを使用中にフィルターの掃除をしている方は、意外に少ないかも知れません。

エアコンのフィルターは隔週で掃除するのが、効率的でエアコンによい影響を与えて、臭いの予防につながってきます。

自動掃除機能が付いていれば、使用中に自動で掃除してくれるので問題ありませんが、そうでないエアコンでは隔週に1度はフィルターの掃除しておきます。

新品の場合や水洗いでキレイにした後であれば、掃除機での掃除で充分です。そんなに手間もかからず5分ほどで完了するので、臭いの予防のためにはこまめなフィルター掃除が大切です。

まとめ

エアコンは夏・冬と、部屋の温度を最適に保ってくれます。しかし、そんなエアコンからいつも嫌な臭いを感じていると、ストレスを感じてしまうでしょう。

エアコンの臭いの原因はカビや生活臭ですが、正しい対処法を行なえば臭いを消す予防も可能です。ただし、間違った対処すると返って臭いが酷くなったり、エアコンの故障の原因を作ったりしてしまいます。

とくに、エアコンをセルフで掃除する際には注意するポイントがたくさんあります。正しいエアコンの掃除方法を記事内にまとめてあるので、情報を参考にして、キレイな部屋で快適なエアコン生活を送ってくださいね