コンシェルジュコラム

2023.01.05 エアコン掃除

室外機は掃除するべき?部位別で掃除方法を解説!

エアコンの室外機を掃除したことがある方は、かなり少ないはずです。家の外にあり、できるだけ目立たないところに設置されることがほとんどで「掃除」については考えが及ばないケースもあるでしょう。

そこで、エアコンの室外機を掃除しないで放置するとどうなるのか、室外機を掃除するタイミング、掃除方法などを徹底解説します。

エアコンの室外機の掃除が必要なタイミングとは?

エアコンは室内に設置するエアコン本体と、部屋の外に設置する室外機がセットで稼働します。

仕組みとしては、部屋の中のエアコン本体が空気を吸い込んで、室外機に送ります。空気を受け取った室外機は熱交換器によって、冷房時には低温の液体を作り出すのです。そして、暖房時には熱交換器にて、高温の気体を作り出します。

これら液体や気体を室内のエアコン本体に送って、今度はエアコン本体の中にある熱交換器にて、冷風や温風を吹き出す仕組みとなっています。

この仕組みによって、夏場の冷房使用時には室外機からは温風を出して、冬場の暖房時には室外機は冷風を出すのです。

室外機の役割

室外機はエアコン本体から送られた空気を、熱交換器で冷たい液体や高温の気体に変えて、室内のエアコン本体に送ることで機能しています。

つまり、室外機の熱交換器がなければ、冷房も暖房もできないのです。

室外機の構造と汚れる原因

エアコンの室外機の構造は「熱交換器(フィン)・プロペラファン・ファンモーター・コンプレッサー・吹き出しグリル」から構成されています。

【熱交換器(フィン)】
先に解説しているとおり、エアコン本体から送られてきた空気を、温めたり冷やしたりする部分です。冷房時は空気を冷やして低温の液体を作り、暖房時には空気を熱して高温の気体を作り出します。

【プロペラファン・ファンモーター】
プロペラファン・ファンモーターは、エアコンが運転中に室外機の中で回っているプロペラと、稼働させるためのモーターをいいます。

熱交換器とセットになっていて、冷房時は温かい空気を出して、暖房時には冷たい空気を出すのです。

【コンプレッサー】
熱交換器とつながっている圧縮機が、コンプレッサーです。

冷房時にはエアコンからの空気を受け取って、ここで圧力をかけて高温の気体にして熱交換器に送ります。

そして、暖房時には、熱交換器から受け取った空気を圧縮して、高温の気体を作ってエアコン本体に送っているのです。

【吹き出しグリル】
「プロペラファン・ファンモーター」の、外側のカバー部分です。室外機の中に、ホコリやゴミが侵入するのを防ぐ役割を担っています。

室外機が汚れる原因は周辺環境にあります。室外機は当然ながら部屋の外に設置するので、雨風にさらされているのです。

雨で濡れた後にホコリが舞えば汚れるのは当然ですし、葉っぱや虫が「吹き出しグリル」から入り込むこともあります。とくに運転していない間は、クモの巣が張られることが多いです。

また、車の往来が多い沿道では、排気ガスで汚れてしまいます。このように、普通に外においてあるために周囲の環境によって、さまざまな原因で室外機は汚れてしまうのです。

室外機を掃除するタイミングは?

そんな室外機ですが、掃除するタイミングとしては年に1回~2回が一般的です。時期としては夏シーズンを迎える前の、5月~6月がベストなタイミングです。

もう1回は、冬シーズンを迎える前となる10月~11月がベストなタイミングとなってきます。夏や冬の本格的なシーズンを迎える前がタイミング的には適しています。

また、吹き出しグリルにクモの巣が張っている、落ち葉が挟まっているなどの光景をみたら、掃除しておくのがおすすめです。

そのほかにも、エアコンを使用中に室外機がガタガタと揺れていたり、大きな音など異音がしたりする場合も、掃除のタイミングとなってきます。

室外機を掃除する際は必ずエアコンのスイッチを切って、できればコンセントも抜いた状態で掃除をするのが好ましい方法です。

室外機を掃除するメリット

では、普段気づかない室外機の汚れを掃除すると、どのようなメリットがあるのかを解説します。

節電につながる

室外機の中に枯葉やゴミが溜まってしまうと、プロペラファンからの送風が弱くなり、熱交換が正常にできなくなってしまいます。

そんな状態に陥ってしまうと、室内の温度を保つために通常以上の電力が必要になります。その結果、電気代が高くなってしまうのです。

室外機はキレイな状態で稼働させると、スムーズな熱交換ができて節電につながるでしょう。

また、負荷をかけたまま運転を続けていると、室外機の故障にもつながってしまいます。猛暑の時に、室外機が故障してエアコンが使えないと、熱中症のリスクも高まってくるので大変です。

室外機の掃除は節電だけでなく、故障を防ぐと同時に熱中症も予防できるメリットにつながってきます。

室外機の騒音・異音がなくなる

室外機から異音がする時は、吹き出しグリルに枯葉などのゴミが詰まってしまい、ファンに当たって異音が発生しているケースが多いです。

また、吹き出しグリルに多くのゴミが詰まってしまうと、モーターに負荷がかかり、モーターに付着した砂が原因で、モーターから異音が出ているケースもあります。

室外機をキレイに掃除すれば、ファンもモーターも正常な動作に戻るので、騒音や異音がなくなります。

また、室外機は地面に直接置かず、台座などを敷いてその上に設置されます。その台座が破損して室外機の振動を拾い、異音が発生しているケースもあるでしょう。

掃除しても異音が直らない場合は、台座などもチェックすると原因を突き止められるかもしれません。

エアコンが効率よく稼働する

室外機へのゴミ詰まり、モーターへの砂の付着は室外機自体に負荷がかかってしまい、熱交換が上手くいかなくなります。

そうなると、エアコンの効率が下がり効きが悪くなってしまうのです。室外機のゴミや汚れを掃除するだけでなく、室外機のファンの前に植木鉢を置いて、送風を妨げる物も効率を下げてしまいます。

室外機の掃除と周辺の整理を行なうと、エアコンが効率よく稼働してくれます。エアコンが何ごともなく効率よく稼働すれば、快適な生活ができますよ。

室外機の掃除方法

エアコンの室外機の掃除が重要なのは、おわかり頂けたとして、ここでは室外機の具体的な掃除方法について解説します。

正しい掃除方法を知っておかないと、室外機をキレイに掃除できません。ただし、本格的な掃除はプロに任せないとダメですから、ネジを外してカバーを取るような掃除はNGです。

室外機の掃除に使う道具

まずは、室外機の掃除に使用する道具を説明します。

・ホウキ
・チリ取り
・雑巾
・バケツ
・使い古しの歯ブラシ
・割りばし
・スポンジ
・洗車ブラシ(ソフトタイプ)

使い古しの歯ブラシが必要なのは「軟らかいブラシ」であることが理由です。ですから、とくに使い古しの歯ブラシでなくても、軟らかいブラシであればOKでしょう。

外部の汚れ

ホウキで室外機のホコリを落とします。ホコリや砂はホウキを使うのが効果的で、吹き出しグリルに挟まっている枯れ葉を取り除くにも有効で、クモの巣を払う際もホウキがあれば便利です。

大まかな汚れを落としたら、乾いた雑巾でザッと拭きます。目立つ汚れには、バケツにお湯を入れて雑巾で拭き掃除してください。

浮き出た汚れはいちいち雑巾で拭き取らなくても、ザッと水をかけて落とせばラクに掃除が進みます。室外機は雨に濡れるのを前提に作られているので、洗い流す程度なら問題ありません。

ただ、水圧の高いジェット水流にしてホースで洗うのは避けた方が賢明です。

熱交換器(フィン)

熱交換器の部分は室外機裏側の、フィンの部分になります。この部分には細かいホコリやゴミ、クモの巣などが、張り付いた付いた状態になっていることが多いです。

ホウキでザっと汚れを払った後で、洗車ブラシで上から下になぞってホコリを取り除きます。この時利用する洗車ブラシはソフトタイプで、車のボディ用を使います。

フィン部分は強い力が加わるとすぐに凹んでしまうので、慎重にブラシをかけるのがポイントです。仕上げに使い古しの歯ブラシで、残っているホコリやゴミを取り除いて完了となります。

ただし、この掃除は室外機の裏側に、充分なスペースがある場合に有効です。室外機と壁面に少ししか隙間がない場合は、ホウキを入れてササっと掃除する程度で終わりにしておきます。

後で詳しく解説しますが、裏側が見えやすいように室外機を無理に動かしてはいけません。現在の状態のまま、室外機を動かすことなく掃除するのが基本なのです。

吹き出しグリル

外側の掃除をした時に、吹き出しグリルも表面上は掃除しているはずです。ただ、網の目になっている所までは掃除できていないはずなので、ここでキレイにしておきます。

汚れが目立っている場合は、水を付けた洗車ブラシでこすり洗いします。何度が洗うとかなりキレイになるはずです。その後、残っている汚れを歯ブラシでキレイに落としていきます。

水抜き穴・ドレンホース

水抜き穴は、室外機の底部に設置されていますが、この水抜き穴は室外機を持ち上げないと見えません。非常に掃除しにくいところなので、セルフで掃除する際はいったんスルーしても問題ありません。

ドレンホースはエアコン本体の結露を排水するためのものなので、ここが詰まるとエアコン本体の故障にもつながってしまいます。

ドレンホースは詰まりが見えたら、割りばしを突っ込んでかきだすようにすれば簡単にゴミが取れます。

不安な場合は専門業者に依頼!

ここまでセルフで可能な、室外機の掃除方法を解説してきました。
これらの方法は、作業スペースがあり地面に単純に置かれているだけの室外機には有効です。

それでも、室外機と壁面との隙間が狭い場合で、汚れは見えるものの上手く掃除できないケースもあります。

また、アパートなどの窓枠にぶら下がっている室外機や、屋根の上に取りつけられている室外機などはセルフで掃除することはやめておきましょう。

ここまで解説した掃除を試したけれど異音が直らないなどトラブルが続く際も、セルフでカバーを外す、部品を触るなどの掃除してはいけません。

このような場合は専門業者に依頼して、本格的に掃除をしてもらうことをおすすめします。

室外機を掃除するポイント

エアコンの室外機を掃除する場合は、安全に掃除できるようにいくつかポイントがあります。ここでは、各ポイントについて詳しく解説します。

エアコンの電気は切る

室外機の掃除をする際には、必ずエアコンのスイッチはオフにして、コンセントも抜いておく必要があります。自宅に誰もいなければ問題ないのですが、スイッチをオフにしてコンセントがそのままだと、家族の誰かが部屋に入ってエアコンのスイッチを入れる可能性があります。

そうすると吹き出しグリルを掃除している時に、ファンがまわるとケガしてしまう可能性が高くなってしまいます。エアコン本体と室外機が離れている場合には、とくに注意しないといけません。

ほかの家族がいる場合は「室外機の掃除をしているのでエアコンを作動させないように」と、声をかけておきましょう。

室外機は動かさない

先の熱交換器(フィン)の掃除の解説でもお伝えしているように、室外機を動かして掃除をしてはいけません。少し動かせば、動かした瞬間に、室外機から配管が外れる可能性があります。

室外機には複数の配管がつながっているので、これらを破損しないよう動かさずに掃除するのが基本です。

どうしても動かさないと無理な場合は、専門の業者に依頼する方がトラブルなく掃除が完了します。

洗剤は使用しない

外側の掃除をする際に、中性洗剤なら問題ないように思えてしまいますが、室外機の裏や側面はフィンが見えている状態です。

その状態だと中性洗剤がかかったり、泡がフィンに入り込んだりします。室外機を動かすのはNGなので、洗剤をキレイに取り除けず、余計に汚れが目立つことになるかもしれません。

外側をキレイにしたくても、中性洗剤は使用しないで水やお湯ですませてください。

エアコン業者の選び方

エアコンの室外機の掃除を業者に依頼する際には、選び方に注意する必要があります。たとえば、エアコン業者といっても取り付けや、取り外しが専門でクリーニングは専門外な業者も存在します。

また、エアコンクリーニング専門であっても、腕の善し悪しによって掃除してキレイになるはずが、エアコンが壊れて使えなくなった例もあります。

ここでは、エアコンクリーニングの業者選びの2つのポイントを解説します。

口コミをチェック

口コミは業者のさまざまな所を知るのに、ベストなツールです。

とくにお客への対応面は参考になります。たとえ腕がよくても、不愛想で挨拶もなく、いつ始まったのか終わったのかもわからなければ、不安になってしまいます。業者に無駄な気を使ってストレスを感じたくないですよね。

「挨拶・身だしなみ・接客態度・技術・料金」といったこれら会社全般の評判を、口コミで総合的に判断して、エアコンクリーニングの業者を選んでください。

料金やサービス内容をチェック

同じ料金でもサービス内容をチェックして、よりよいサービスが提供される業者を選ぶのも大切です。

たとえば、基本料金が高くてもサービスの中に「防菌・防カビコーティング」が入っている場合、オプションで付けるよりも安いケースもあります。

サービス内容と料金を比較して、エアコンクリーニングの業者を決めるとよいでしょう。

まとめ

今回は、エアコンの室外機の掃除について、徹底的に解説してきました。これまで室外機の掃除は、しなくてもよいと思い込んでいた方もいたはずです。

しかしエアコン本体と同じように室外機も定期的に掃除しておけば、故障を少なくして長く使えられます。

ただし、安全に掃除するポイントや、室外機を勝手に移動させての掃除はNGであることも、きちんと把握しておかねばなりません。

また、屋根など特殊な位置に室外機が設置されている場合は、特別な技術や知識がない限りセルフでの掃除は難しいです。そうした時は、プロに掃除を依頼すると確実に安全に掃除が完了します。

プロに掃除を依頼する際は、口コミやサービス内容をチェックして、安心できるクリーニング業者に依頼すれば完璧に掃除してくれますよ。