コンシェルジュコラム

2023.01.05 エアコン掃除

夏場・冬場別エアコンの節電方法!一年中有効な節電方法も

夏場は冷房、冬場は暖房として活躍するエアコンですが、エアコンにかかる電気料金を抑えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

エアコンの節電方法は、一年中できるものだけでなく、季節に合わせた方法もあります。温度や風向きの設定、カーテンの使い方などの工夫で、快適な室温を維持したままで節電できます。

今回は、夏場・冬場別のエアコン節電方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

夏の季節におすすめ!エアコンの節電方法

はじめに、夏の季節におすすめしたいエアコンの節電方法について解説していきます。

風向きを上向き・水平にする

夏場はエアコンの風向きを上向き、もしくは水平にすることでエアコンを効率よく使うことができます。

冷たい空気は、暖かい空気よりも空気の密度が高くて重いので、低いところに停滞する性質があります。そのため、風向きを上向き、もしくは水平に設定することで、冷たい空気が部屋の上部から床周辺に降りてきて、室内に風の対流が生まれます。

夏は、風向きを上向き・水平にすることで室内の温度ムラがなくなり、全体を効率よく涼しくすることが可能です。

使用前に換気する

夏場は、外よりも部屋の温度が高くなっていることがしばしばあります。そのような場合は、エアコンの電源を入れる前にドアや窓を開けて室内を換気しましょう。部屋にこもった熱気を外に出してからエアコンを使うことで、室温を下げるために必要なエネルギーが少なくなります。

換気のポイントは、対角線上にある2か所以上の窓を開けることです。開けられる窓が1か所だけの場合は、開けた窓の前に扇風機を置きます。扇風機を外に向けることで換気効率がよくなるでしょう。

外気よりも部屋の温度が高いと感じたら、エアコンを使う前に換気することで、エアコンの出力を抑えられます。

弱冷房除湿で運転する

部屋を涼しくするために除湿を活用する方もいるのではないでしょうか。節電のためには、弱冷房除湿の運転がおすすめです。

通常、除湿には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2パターンがあります。弱冷房除湿は、温度を下げた空気をそのまま部屋に戻します。一方、再熱除湿は、部屋の温度が下がらないように除湿によって温度が下がった空気を暖めてから部屋に戻します。そのため、電力使用量は再加熱除湿の方が多くなります。

冷房も含めて、それぞれのパターンの電気代を比較すると、電気代が低い順に「弱冷房除湿」「冷房」「再熱除湿」となります。弱冷房除湿は冷房よりも節電効果が期待できます。ただし、室内の温度を下げるという点では、除湿よりも冷房の方が優位なので、利用シーンに合わせて使い分けするのがいいでしょう。

カーテンやブラインドで直射日光を避ける

夏場の強烈な日差しは、室内の温度上昇の原因となります。カーテンやブラインドを使用して、窓から差し込む直射日光を避けることで、部屋の温度を下げるために必要な電力を抑えられます。

窓のサイズやカーテンのタイプにもよりますが、日射しによる熱を30%程度カットすることが可能です。また、窓ガラスにUVカットできるフィルムを貼り付けるのもひとつの手段です。

カーテンやブラインドの色は、光や紫外線を跳ね返す白色がおすすめです。黒色や濃い目の色は、太陽の熱を吸収して室内がさらに暑くなってしまう可能性があります。

部屋の外に、すだれやツルのある植物を置くことも効果的です。カーテンやブラインドの場合、窓とカーテンなどの間に暖かい空気が溜まってしまいますが、窓の外に日差しをさえぎるものを設置することで、部屋の中に暖かい空気が入らなくなります。雨戸がある場合は、留守中に閉めておいてもよいでしょう。

扇風機やサーキュレーターを併用する

エアコンと離れた場所が暑いからといって、設定温度を下げるのは非効率です。そのような場合は、部屋の空気を循環させるために扇風機やサーキュレーターを使用しましょう。

冷たい空気は室内の下付近に溜まりやすくなっているので、サーキュレーターや扇風機を使用し、空気をかきまぜて室内全体の温度を均一にしていきます。エアコンの吹き出し口に背を向けるように扇風機やサーキュレーターを置くと、エアコンから出てきた冷たい空気をより遠くまで送ることができます。

室内の空気を循環させる機能がついたエアコンもありますが、扇風機やサーキュレーターを併用することでエアコンの冷房効率がさらにアップするでしょう。

室外機周りの物や雑草を取り除く

室外機周辺の環境も節電に影響します。室外機は、周辺の外気を取り込み、室内の空気を排出します。吸い込み部分や排気部分に障害物があると、冷房効率が低下して電力の無駄使いになってしまいます。

室外機の周りには物を置かず、吸気や排気がしやすいようにスペースを確保しておきましょう。また、知らぬ間に生えた雑草が室外機の吸排気の邪魔をしていることや、ファンに植物のツルが絡まって故障の原因になるケースもあります。室外機の周辺に雑草や枯れ葉、枯れ木がないか定期的にチェックしましょう。

冬の季節におすすめ!エアコンの節電方法

冬は、夏よりも屋内外の温度差が大きいため、エアコンの消費電力が多くなり電気料金が高くなってしまいます。そんな冬の季節におすすめのエアコン節電方法について解説していきます。

風向きを下向きにする

冬場はエアコンの風向きを下向きにしましょう。暖かい空気は密度が小さく、高い所にあつまる性質があります。暖かい空気が上へ向かう性質を利用することで、効率的に部屋を暖めることができます。

素早く部屋全体を暖めるためには、風向きを下向きにして、床の方から空気を暖めていくとよいでしょう。暖かい空気は、上へ向かい性質によって、床面から天井に向かって動きます。

冷たい空気は下にあつまる性質があるので、風向きを下向きにすることで冷たい空気の固まり暖かい空気で動かし、室内を効率的に温められます。そのため、エアコンの出力を抑え、結果として節電効果が期待できるでしょう。

ただし、温度や人の位置を感知するセンサーが搭載されているタイプのエアコンは、下向きではなく自動モードを選びましょう。センサーによって、人の位置や温度に合わせて自動で風向きを調整してくれます。

昼間はカーテンを開けて夜間は閉める

夏は室内が暑くなる原因になるため避けたい直射日光ですが、冬は積極的に部屋に取り込みましょう。

日中はカーテンやブラインドを開けたままにして、太陽の熱をたっぷり室内に取り込みます。夏に、太陽光を遮断するために使っていたUVカットフィルムやすだれなどをそのままにしておくと、昼間の太陽光を遮ってしまうので冬の間は外しておきましょう。

一方で、夜はカーテンを閉めて、外部の冷気が入らないようにしましょう。また、カーテンを閉めることで、室内の暖かい空気が外に逃げるのも防げます。

厚みのあるカーテンやホームセンターなどで購入できる断熱シートを使うとより効果的です。室内の温度を下げないようにすることで、暖房を使うときに効率よく短時間で温度を上げることができます。

カーテンを天井から床まで垂らす

カーテンの使い方を工夫することで、日中に取り込んだ太陽熱や暖房使用中の暖かい空気を保てます。

カーテンは窓ガラス部分のみを覆うのではなく、上と下に隙間がなくなるように天井から床まで覆うと保温効果が上がります。また、外からの冷たい空気によって室内が冷えるのを防げます。

サーキュレーターで部屋の空気を循環させる

先述の通り、冷たい空気は下の方に留まりやすい性質があります。外部から入ってきた冷気を足元に留めず循環させることが暖房効率を上げるコツです。

設定温度を上げても、暖かい空気が天井部分にあつまってしまい、足元の空気が冷たいままでは暖かさを感じにくいでしょう。サーキュレーターを使うことで、エアコンによって暖められた空気を足元に、そして冷たい空気を天井の方に循環できます。

また、空気清浄機を使っている場合は、空気清浄機の風を活用して室内の空気を循環させてもよいでしょう。空気清浄機やサーキュレーターを使用することで、室内温度のムラを解消するだけでなく、室内の換気もできます。

サーキュレーターや空気清浄機の風が体にあたってしまうと寒さを感じてしまうので、風が直接あたらないように置き場所に工夫しましょう。

加湿器で湿度を一定に保つ

冬場は乾燥していて、室内の湿度も低くなります。人間は、同じ温度でも湿度が高い方がより暖かさを実感しやすいため、加湿器の使用もおすすめです。

エアコンに湿度を設定できる機能がある場合は、その機能を利用するとよいでしょう。湿度お設定ができないエアコンの場合は、加湿器を利用します。洗濯物の部屋干しも加湿に役立ちます。

加湿することで体感温度が上昇し、やや低い室温でも暖かさを感じられます。また、湿度が高いと活動しにくくなるウイルスもいるので、感染対策もできます。快適な湿度の目安は40~60%です。湿度計などを見て調整しましょう。

暖かさを感じるために大切な湿度ですが、上げすぎは禁物です。湿度が高すぎると結露の原因になります。こまめに掃除をするなどお手入れに気をつけましょう。

室外機周りの防雪対策をする

雪が多い地域の場合、室外機の雪対策も重要です。吸気や排気部分が雪で詰まってしまうと、運転効率が下がってしまいます。

雪が降ったときは、室外機周辺の雪かきをしましょう。雪が多い地域の場合、室外機を台の上に設置すると雪かきの手間が省けます。また、防雪用フードや防雪用ネットも、雪による影響を防ぐことができ省エネになります。

一年中有効な節電方法

季節に関わらず、1年を通して有効な節電の方法について解説していきます。

設定温度のわずかな調整やオート運転の設定など、エアコンの出力を控えめにするだけでも節電効果が期待できます。これから紹介する対策はすぐに始められるものなので、ぜひ実践してみましょう。

設定温度を1℃変える

設定温度を1℃変えるだけで節電につながります。冷暖房ともに、設定温度を1℃下げただけで10%ほど電力消費量が違ってきます。

環境省発表の適切な設定温度は、冷房が28℃、暖房は20℃です。ただし、この設定温度は環境への負荷も考えた上の数値なので、暑すぎる、もしくは寒すぎると感じている方もいるでしょう。その際は、これから紹介する方法を試してみてください。

風量を自動にする

風量は自動を選びましょう。エアコンの運転モードで一番効率がよいのは自動運転です。風量が弱い方が省エネのように感じるかもしれませんが、風力が弱い場合、最適な温度になるまでに時間がかかるので、電力を余分に消費してしまいます。

一方、風力が自動の場合、設定した温度までもっとも効率よく運転するため、スピーディーかつ電力を無駄使いすることなく最適な温度にできます。

ドアや窓の開閉を最小限に留める

ドアや窓の開閉を減らすことも節電対策になります。頻繁にドアや窓を開け閉めすると、冷気や暖気が外に出て行ってしまいます。余計な電力を使わないためにも、ドアや窓の開閉は最小限に留めましょう。

短時間の外出ならつけっぱなしにする

エアコンが一番電力を使うのは、運転開始直後のように急激に室温を上げ下げするタイミングです。温度を一定に保つ場合に消費する電力は多くありません。そのため、短時間の外出であればつけっぱなしにした方が節電効果を見込めます。

スイッチを何度も入れたり切ったりすると、室温を変える回数が増えます。部屋が寒すぎる、もしくは暑すぎる場合は、運転を停止するのではなく設定温度を調節しましょう。

屋内外の温度差が激しい場合はつけっぱなしにする

屋内外の温度差が激しいときも、エアコンが消費する電力が多くなります。このような場合も、つけっぱなしにしておいた方が節電できます。

ただし、外出している時間が長い場合は一度電源を切った方が節電になります。その日のスケジュールに合わせて、使い分けるとよいでしょう。

長期間使用しない場合は電源プラグを抜く

長時間使用しない場合には、電源プラグを抜くと節電できます。

電源プラグがつながっている状態のエアコンは、電源を切っていてもリモコンの電波を受信するためにスタンバイ状態になっています。そのため、わずかではありますが電力を消費します。

長時間使用しない場合は、節電のために電源プラグを抜くとよいでしょう。

フィルターをこまめに掃除する

エアコン内のフィルターが、ゴミやホコリ汚れで目詰まりしてしまうと運転効率が低下します。フィルターが目詰まりしていると、通常よりも5~10%ほど多くの電力がかかります。節電のためにもフィルターはこまめに掃除しましょう。

フィルター掃除の目安は、2週間に1回です。フィルターを水洗いして、掃除機でホコリ汚れを吸いとりましょう。汚れがひどい場合には、中性洗剤を入れたぬるま湯で洗浄してから日陰でよく乾燥させます。

運転効率を上げるためには、フィルターの奥にある熱交換器の清掃もかなり重要です。熱交換器にホコリ汚れが蓄積されると、室内を暖める力が弱まり、より多くの電力が必要になります。熱交換器の清掃は専門の技術が必要なので、汚れがひどい場合は専門業者に相談することをおすすめします。

エアコンの節電におけるNG行動

ここからは、エアコンの節電におけるNG行動を紹介します。

頻繁に電源のON/OFFを切り替える

エアコンの電源を頻繁に切り替えることは避けましょう。エアコンは、運転開始直後や温度を変えるときにもっとも電力を消費します。先述の通り、短時間の外出の場合は、つけっぱなしの方が節電できます。

初めから弱運転に設定する

初めから弱運転に設定してしまうのもよくあるNG行動です。弱運転の場合、設定した温度に到達するまでに時間がかかり、消費電力が上がる原因となってしまいます。節電を考えるのであれば、弱運転ではなく自動運転に設定しましょう。

まとめ

今回は、夏場・冬場別エアコンの節電方法について解説しました。

季節によって、エアコンの風向きやカーテンの使い方を変えることで、エアコンの運転効率が上がり、節電効果も高まります。また、年間を通して、設定温度の調節や自動運転機能を活用することも節電につながります。

エアコンの運転効率を上げるためには、エアコン本体のこまめな掃除も大切です。2週間に1回の目安でフィルター掃除をしましょう。

エアコンは、運転開始直後や温度を変えるときに多くの電力を消費します。そのため、短時間の外出や屋内外の温度差が激しい場合は、こまめに電源を切るよりもつけっぱなしの方が節電に期待できます。紹介した節電方法は、簡単なものも多いので、ぜひお試しください。