コンシェルジュコラム

2023.01.05 キッチン掃除

電子レンジの掃除でやってはいけないことは?目的別の掃除方法も紹介

電子レンジは、豊かな暮らしを送るうえでは欠かせないものです。

普段から掃除をマメにしている人も多いかもしれません。しかし、電子レンジには正しい掃除のやり方があります。間違った方法で掃除をしてしまうと、故障につながる恐れもあります。

本記事では、電子レンジを掃除するときの注意点や、目的別の掃除方法を紹介します。電子レンジをできるだけ長く愛用するためにも、これを機に正しい掃除方法を身につけましょう。

電子レンジの掃除でやってはいけないこと

「電子レンジの掃除は拭き掃除で済ませている」という人がほとんどでしょう。

しかし、今までの掃除方法が、電子レンジの掃除をするうえではよくない場合もあるのです。電子レンジを掃除する際にやってはいけないことを具体的に説明しますので、今後の参考にしてください。

内部が熱い状態での掃除

電子レンジの内部が冷めないうちに掃除するのは、避けたほうがよいでしょう。内部が冷めないままに掃除を始めてしまうと、やけどにつながるリスクがあります。

「電子レンジの内部が温たまった状態で掃除をしたほうが汚れは浮きやすい」という話を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、この話を鵜呑みにするのは危険です。

一度、内部を暖めて汚れを浮かす方法はありますが、使用した後すぐに内部に手を入れて拭き掃除をするとやけどを負ってしまうこともあります。

安全に掃除をするためにも、電子レンジの掃除は内部が冷めてから行うようにしてください。完全に冷たくなるまで待つ必要はありませんが、内部に手を入れても問題ない温度まで下げるようにしましょう。

住宅用洗剤や家具用洗剤の使用

電子レンジの掃除に、住宅用洗剤や家具用洗剤は使わないようにしてください。電子レンジの汚れのなかには、なかなか落ちない頑固な汚れもあります。頑固な汚れを落とすためにより強力な洗剤を使いたくなりますが、電子レンジの掃除においては逆効果です。

実際に「電子レンジの頑固な汚れには住宅用洗剤や家具用洗剤を使えばいい」と考える人は多く、さまざまなリスクを引き起こしかねません。電子レンジに住宅用洗剤や家具用洗剤を使うと、傷がついたり、色剥げになったりする可能性があります。とくに、電子レンジに傷がつくと故障のもとになることもあります。

住宅用洗剤や家具用洗剤は合成洗剤なので、電子レンジが傷む原因になることは覚えておきましょう。また、スプレー式の洗剤やシンナー、ベンジンなどの使用もおすすめできません。合成洗剤と同じように傷や色剥げの原因になるので、使用は避けるようにしてください。

メラミンスポンジの使用

電子レンジによくある汚れには、焦げ付きも見受けられます。焦げ付きをきれいにするのは難しいので、より強力な掃除アイテムなどを使いたくなるでしょう。

合成洗剤はもちろんですが、メラミンスポンジも電子レンジの掃除に使ってはいけないアイテムの一つです。メラミンスポンジは、汚れを落としてくれる優れものです。しかし、電子レンジの掃除にメラミンスポンジを使用すると、内部などに傷がつく恐れがあります。

そもそも、メラミンスポンジで汚れがきれいになる理由は、研磨作用が働いているからです。汚れた部分を削っていることになるので、電子レンジが傷つくリスクが高いといえます。電子レンジの故障を予防するためにも、メラミンスポンジの使用は避けるようにしましょう。

「これまであまり電子レンジの掃除を考えたことがなかった」という人は要注意です。電子レンジは、家電のなかでも定期的に掃除をしたほうがよいものの一つです。なぜ電子レンジを定期的に掃除するべきなのか、理由を詳しく解説します。

汚れによる臭いを発生させないため

電子レンジの掃除を長い間放っておくと、蓄積した汚れによる臭いが生じる場合があります。汚れからくる臭いは、おいしい料理を温めるときに移る恐れがあります。料理をおいしく食べようとしても、電子レンジが原因の嫌な臭いが気になってしまう場合もあるでしょう。

電子レンジの掃除を避けたままでいると、臭いが落とせず、電子レンジの買い替えが必要になることもあります。毎日の料理をおいしく食べるためにも、電子レンジを定期的な掃除が大切です。また、電子レンジの汚れは食べ物を取り出すときの不快感にもつながります。ベトっとした油の感触は、あまりよい心地ではありません。

さらに気をつけなければならないのは、電子レンジにカビが発生している場合です。料理を加熱した水蒸気で内部が湿り、そのまま放置すると斑点状にカビが生じることがあります。カビが発生した電子レンジは、衛生的にもよくないのですぐに掃除をしましょう。

電子レンジの機能を低下させないため

電子レンジの汚れを放っておくと、本来の機能レベルが低下するリスクがあります。汚れを放っておくだけで、なぜ電子レンジの機能が低下するのか疑問に思う人は多いでしょう。

掃除をしていない電子レンジは、汚れまで温める恐れがあります。汚れまで温められてしまうと、電子レンジにはいった料理への加熱が不充分になります。さらに、料理の加熱にムラができてしまうこともあるでしょう。

「最近、料理の温めにムラがある」と感じたことのある人は、電子レンジを掃除すれば解決できる可能性が高いです。また、電子レンジが汚れまで加熱するということは、そのぶん電力も消費していることになります。電気代が高くなることにもつながるので、電子レンジは定期的に掃除することを心がけましょう。

事故やトラブルにつなげないため

掃除が疎かになった電子レンジは、事故やトラブルの元になります。電子レンジが料理を温ためるときは、電磁波を使って加熱しています。掃除をしていない電子レンジは、電磁波が汚れも加熱します。汚れの種類によっては発火や発煙をする恐れもあり、注意が必要です。

とくに廉子レンジ内部のスキマなどに、汁や料理のカスなどがついていると火花が生じるケースもあります。事故やトラブルを未然に防ぐには、電子レンジの掃除も必要であることは理解しておきましょう。

電子レンジの掃除方法【目的別】

電子レンジを掃除したほうがよい理由を紹介してきましたが、どのように掃除をすればよいのか悩んでいる人もいるでしょう。

電子レンジは、目的別によって掃除方法が異なります。5つの目的別に電子レンジの掃除方法を解説しますので、今後の参考としてお役立てください。

油汚れや食品カスを落としたい場合

電子レンジの油汚れや食品のカスを落とす場合は、アルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダを使うのがおすすめです。電子レンジの汚れの大半は、酸性の油汚れや食品のカスです。酸性の汚れを落とすには、アルカリ性の掃除アイテムが最も効果的です。

「油汚れや食品のカスが思うように落ちない」というお悩みは多いでしょう。油汚れや食品のカスを落とす際は、重曹やセスキ炭酸ソーダを使えば簡単に落とせます。

用意するのは、大さじ1の重曹もしくはセスキ炭酸ソーダのほか、約40℃に温ためられた200mlのお湯、耐熱容器、ふきんです。ふきんは、キッチンペーパーやTシャツなどの不要になった布で構いません。まず、耐熱容器に重曹もしくはセスキ炭酸ソーダをお湯に溶かします。アルカリ性となったお湯を電子レンジで4〜5分加熱し、そのあとは扉を閉めたまま15〜30分ほど放置します。電子レンジを閉めたままにすると、アルカリ性を含んだ蒸気が内部に行き渡るのでより汚れが落としやすくなるでしょう。時間が経ったらアルカリ性の水をふきんにつけて、電子レンジの内部や表面を拭きます。

ちなみに、セスキ炭酸ソーダはアルカリ性が強いので、重曹よりも洗浄力が高いのが特徴です。水にも溶けやすいため、掃除の時間を短縮できるでしょう。

水垢を落としたい場合

電子レンジについた水垢を落としたい場合は、酸性のアイテムを使いましょう。水垢はアルカリ性です。そのため、酸性であるクエン酸を使って掃除をすると大きな効果が発揮されます。水垢掃除で用意するのは、大さじ1のクエン酸と1カップの水、耐熱容器、2枚のふきんです。

まず、耐熱容器に水とクエン酸を入れてよく混ぜます。水とクエン酸が混ざったら、それを電子レンジに入れて約5分加熱しましょう。加熱が終わったら、油汚れと食品カスを落とすときと同じように、電子レンジの扉を閉めたまま15〜30分ほど放置します。

放置し終わったら、水とクエン酸が混ざった液体でふきんを濡らし、電子レンジの気になる水垢を掃除してください。クエン酸が含まれた液体で掃除をしたあとは、用意したもう1枚のふきんで必ず水吹きをするようにしましょう。

普段から水垢が気になる人は、あらかじめクエン酸スプレーを用意しておくのもおすすめです。

臭いを落としたい場合

電子レンジについた臭いを落とすには、コーヒーの出し殻が便利です。コーヒーの出し殻は捨てられることが多いものですが、電子レンジの臭いを落とす掃除にはとても役に立ちます。コーヒーの出し殻の処分に困っている場合は、ぜひ電子レンジを掃除するときのためにとっておくとよいでしょう。コーヒーの出し殻には、豆の繊維が電子レンジについた嫌な臭いを吸着する働きがあります。

コーヒーの出し殻で電子レンジの臭いをとる際は、耐熱の平皿とキッチンペーパーも用意してください。掃除方法は、まずコーヒーの出し殻を耐熱の平皿に広げ、そのまま電子レンジで約1分加熱します。

使用する平皿は、コーヒーの出し殻が飛び散るのを防ぐためにも、深めの皿を用意しておくとよいかもしれません。加熱が終わったらコーヒーの出し殻が冷めるまで待ちましょう。

ある程度時間が経ったら、電子レンジの扉を開けて湿気を逃がします。数分間電子レンジの扉を開けていれば湿気は逃げるので、しばらく待ってください。そうすると、いつの間にか電子レンジの臭いは消えているはずです。

内部に残った水滴は、キッチンペーパーで拭き取れば掃除は完了です。

焦げ付きを落としたい場合

電子レンジの焦げは、基本的に重曹を使用すれば落ちます。しかし、なかには頑固に焦げついた汚れもあります。その場合、重曹水ではなかなか落としにくいかもしれません。

もし重曹水で電子レンジの焦げ付きが落ちなければ、ペースト状にした重曹を使ってみてください。用意するものは、重曹と水、容器、歯ブラシ、ラップ、やわらかいヘラ、水で薄めた酢です。

重曹のペーストは、容器に重曹と水を3:1の割合で混ぜればできあがります。重曹がペーストになったあとは歯ブラシにペーストを塗り、焦げ付きの部分に塗ってください。その箇所をラップで4時間ほど覆って時間を置いたら、やわらかいヘラで汚れを落とします。

金属製などの硬いヘラを使うと、電子レンジに傷がついてしまうので注意が必要です。焦げ付きを落とせたら、水で薄めた酢をスプレーして拭き取りましょう。

酢を使用することによって、重曹を中和する効果があります。重曹のペーストを使っても、電子レンジ内に成分が残ることはないので安心です。

頑固な汚れを落としたい場合

電子レンジ内に頑固な汚れがある場合は、食器用洗剤を使ってみましょう。

食器用洗剤のほかには、キッチンペーパーもしくは雑巾を用意しておいてください。頑固な汚れを落とすときは、キッチンペーパーもしくは雑巾に食器用洗剤を染み込ませ、電子レンジについた頑固な汚れを拭き取ります。

拭き終わったものはそのまま放置するのではなく、用意したキッチンペーパーか雑巾で拭き取ってください。拭き取るときは、乾拭きも忘れないようにしましょう。

電子レンジをきれいに保つための大切な習慣

電子レンジの掃除をラクにするためには、常日頃からきれいに保つための習慣作りがとても重要です。最後に電子レンジを衛生的に保てる習慣を紹介しますので、取り入れてみてはいかがでしょう。

汚れが付着しないよう工夫する

電子レンジをきれいに保つには、汚れがつかないような工夫が必要です。電子レンジに汚れがつくのは、加熱しているときです。そのため、電子レンジを使うときにできる一手間が欠かせません。

たとえば、料理を加熱する場合は「必ずフタをする」「必ずラップをかぶせる」などがおすすめです。「たまにラップやフタをかぶせずに電子レンジを使ってしまう」という人は、なるべくラップやフタの利用を習慣づけるとよいでしょう。

ラップやフタがあれば、料理が飛び散って電子レンジの内部が汚れることは軽減されます。汚れたとしても最小限に抑えられるので、大きな効果が発揮されるはずです。

使用後にひと拭きする

電子レンジを使ったあとに、ひと拭きするだけでも掃除がとてもラクになります。使用後にサッと水拭きをすることで、汚れが簡単に落ちます。さらに、普段から水吹きを心がけることで汚れが蓄積されなくなるので、頑固な油汚れや焦げ付きなどもなくなるでしょう。

「ひと拭きが面倒になって、だんだん疎かになるかもしれない」という人は、ルーティンを作るようにしましょう。

「夕食後の片付けのなかに電子レンジのひと拭きを組み込む」と決めれば、普段から電子レンジをきれいに維持できる可能性が高くなります。すべては工夫次第なので、長く続けられるような工夫を考えてみましょう。

外側も掃除する

電子レンジの外側も掃除するようにすれば、見た目も美しくなります。電子レンジの掃除はどうしても内部に目がいきがちですが、外側にも気を配らなければなりません。外側が汚れていると、使う人の気分にも影響します。外側をきれいに保つには、一日の終わりなどに水拭きをするとよいでしょう。

「使用後にひと拭きする」という習慣に合わせて外側の掃除も行うと、よりきれいな電子レンジに仕上がります。最低限の汚れを拭き取ったあとは、2週間に1度ほどのペースでアルコールスプレーを使い消毒をするとよりきれいに維持できます。

除菌効果のあるウェットティッシュを使ってもよいかもしれません。アルコールで消毒する際は、電子レンジが冷めた状態で行うようにしましょう。

シリコンマットを敷く

電子レンジの中に、シリコンマットを敷くのもおすすめです。

シリコンマットを敷くのみで、内部の汚れを防止できます。あらかじめシリコンマットを敷けば、万が一料理が飛び散ったとしても安心です。シリコンマットであればすぐに汚れが落ちやすいので、サッとひと拭きするだけできれいな状態を保てます。

しかし、電子レンジにシリコンマットを敷きっぱなしにするのは危険です。電子レンジの加熱や汚れによって、内部にシリコンマットが張り付くリスクがあります。

汚れがついた場合は、1度電子レンジから取り出しお手入れするようにしましょう。最低でも月に1度はシリコンマットのお手入れをおすすめします。

電子レンジの場所を考える

電子レンジをきれいに保つには、置く場所にも気を付けましょう。キッチンのつくりによって置ける場所は限られてしまうかもしれませんが、極力使いやすく、掃除しやすい場所に置くように心がけましょう。

たとえば、ガスコンロの近くに電子レンジを置くと、油汚れがつきやすくなります。また、高い場所に電子レンジを置けば、掃除するのも一苦労です。

普段からのお手入れもしにくくなるでしょう。一方、低い場所に置くのもおすすめできません。低い場所に置かれた電子レンジは、ホコリがかぶりやすくなり、お手入れする回数も増えてしまいます。日頃から使うのに不便を感じている場合は、電子レンジを置く位置を見直したほうがよいでしょう。

まとめ

電子レンジの掃除は、ただ単に「水拭きをすればよい」というわけではありません。

電子レンジの掃除ではやってはいけないことがあり、正しく掃除ができないと故障や事故のもとになります。さらに、目的別での掃除方法を知らないと、完全に汚れが落ちないというリスクもあります。間違った掃除方法を行っても電子レンジに傷をつける場合があるので、注意が必要です。

長く電子レンジを使うためにも、正しく効果のある掃除方法を身につけ、普段からのお手入れにも気を配るようにしましょう。